複雑すぎる?環境への意識の高まりが生んだ日本のゴミの捨て方
日本のゴミ捨てルールは複雑すぎると言われることがあります。
日本でゴミを捨てる際には、燃えるゴミ(可燃ゴミ)・燃えないゴミ(不燃ゴミ)・資源ゴミ・粗大ゴミの4種類のいずれかに分類しなければなりません。
くわえて、捨て方についてのルールは、自治体によって細部が異なります。さらに、曜日によって回収するゴミの内容が異なります。
たしかに、複雑であるといえるでしょう。
では、なぜこのような捨て方になったのでしょうか。
現在の日本は、比較的ゴミや環境への意識が高い国の1つとされています。
しかし、はじめから現代のようなゴミ捨てルールが用いられていたわけではありません。歴史をさかのぼると、ゴミや環境への意識が昔から高かったのではないことがわかります。
かつての日本は、ゴミや環境への意識が薄く、公害や汚染を生み出していました。特に1960年代の日本は、高度成長と経済成長を重視するあまり、各地で環境問題を引き起こしました。
環境問題はやがて大規模な集団訴訟となり、社会に知られるようになります。その結果、日本全体において環境保護の必要性が共通意識として持たれるようになりました。
地方自治体はゴミの削減や環境問題に取り組むようになり、現在のような複雑なゴミ捨てルールが登場するようになりました。
ゴミ捨てルールなど、さまざまな取り組みの成果によって、近年の日本におけるゴミの量は先進国のなかでは少ない方になり、3Rにも注力するようになっています。
3Rとは「Reduce(リデュース)」「Reuse(リユース)」「Recycle(リサイクル)」の頭文字をとったもので、資源の採取を抑えて環境負荷を減らす取組みです。また、日本人のゴミや環境への意識の高まりは、さらなる進歩をみせ、現在では「資源」としてゴミを活用する「循環型経済の実現」へと向かっています。
ですが、ゴミや環境の問題はすべて解決できたわけではありません。先進国の中では少ないとはいえ、まだまだ大量のゴミが日々排出されているからです。
これからもゴミや環境への意識を高めていく必要があるでしょう。